哀しい勝利と、希望に満ちた敗戦  サッカーロンドンオリンピック 男女観戦記

◆2012年8月10日(金)

nadeshiko20120810

女子 日本代表 2 -1 フランス代表
男子 日本代表 1 -3 メキシコ代表

あまりにも対照的な結果だったので、まとめて書く

◆哀しい勝利・・・

劇的ではない、終始、力で押しまくられた防戦一方の試合。内容では、圧倒された苦しい苦しい試合。

しかし、結果は勝利で銀メダル以上が確定。

勝利の瞬間は、歓喜の次に、深い深いため息が漏れてしまった。

フランスは強かった。怖ろしく強かった。そして、日本を研究し尽くし、日本の良さを完全に消してきた。

前線から速くて強いプレッシャーをかけ、日本のパスのコースを消し、素早く奪い前に出す。これを徹底された。

 

しかし、勝負を制したのは日本。


正確な技術と、そして、世界王者としてのプライドだけがそれを支えていた。

勝利の瞬間、選手達が感じたのは歓喜ではなく、沸き上がる安堵ではなかったのだろうか・・・


王者には上がない。守るだけ・・・ひたすら守るだけである。数々の「失いたくないモノ」を抱えて・・・

挑戦者は、その座を奪いに来る、狙ってくる。追う者の強みを隠そうともせず、襲いかかってくる。


彼女たちは、「勝ちたい!」というより、「負けたくない・・・」という重いだけで闘ってくれていたのではないだろうか?

それは、半ば「恐怖」とも表現出来るような極限の追い詰められた思いでもあったのとも思う。

世界中から研究され、目標とされ、狙われる立場というものは、私たちの想像もできないような重圧があるのではなかったろうか・・・・

今のなでしこというチームは、次々と立ち向かってくる挑戦者を受けて立つばかりなのだ。

今の座は、そう遠くない未来(あるいは次の試合)に、追われることになってしまうだろう。

勝利の歓喜に酔いしれたい、しかし、なぜか哀しい・・・

次の試合は、結果はどうでもいいとまで感じてしまう。勿論頂点にたってくれれば、それが一番うれしいが、力尽きてしまっても、それは当然と受け止められもするだろう。

願わくば、勝っても負けても、完全燃焼で最後を締めくくって欲しいものだ。

 

◆希望に満ちた敗戦

対して男子は、「これからの伸びしろ」に、胸が震えるほど希望を感じさせてくれる敗戦だった。

負けた瞬間、何人もの選手が激しく号泣していた。

安堵の涙がなでしこなら、くやしさ極まりない涙が男子だった。


かつて岡田武史は、「ワールドカップ(本戦)ではベスト4を狙う」と言った。その時は、誰もが本気にしなかったし、岡田自身も、自分たちを鼓舞するためのビッグマウス・・・と、思っていたのではないだろうか?

事実、ベスト16までコマを進めての敗戦。選手達は負けてなお、どこか安堵感を漂わせていた・・・

今回のオリンピック代表チームは、そんな姿とは決定的に違っていた。

彼らは、本気で悔しがっていた。

それは、

「本気で世界の頂点を手に入れるつもり」だったことの証左に他ならない。

本気で世界に勝ちに行って、「足りないモノがたくさんある」という冷たい現実を突きつけられての、悔しさであり、「足りない自分たちへの歯がゆさ」ゆえの号泣だったのだと思う。

 

世界を相手の本気の勝利への渇望・・・・

 

こんな日本代表はかつてなかった。彼らはこれからまだまだ伸びる。まだまだ強くなって行く、逞しくなって行く。

私たちも、本気で勝つ日本をイメージし、勝利を本気で信じただけに、負けという現実を突きつけられたことは、あまりにも悔しい。

しかし、この悔しさは、これから更に強くなってくれるだろう日本代表への希望に満ちた悔しさでもある。

 

 

現在の技術と誇りという財産をまもり、消費してゆくだけのなでしこと、
これから上をめざすだけ、伸びしろを充分に感じさせてくれる男子代表。


哀しい勝利と、希望に満ちた敗戦。

 

影と光は、これから、どう、交錯するのだろうか・・・

 

次の試合も眠れないだろう・・・・

 

ガンバレ!日本!!

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このページは、よしかわゆういちが2012年8月10日 02:15に書いたブログ記事です。

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