これはハードボイルド・・・ではなく、一つの純愛小説だと私は思う。 東直巳 フリージアを読む



フリージア 東直巳 ハルキ文庫 924円

◆東直巳は読み出すと止まらなくなる。

ここのところ、東直巳づいてしまっている。昨日、3作を続けさまに読んだのだが、どうにも余韻が残り、一番読後感のせつないこの一冊に手が伸びてしまった。

結局、一晩で読み切ってしまった。

 

◆人はここまで人を愛せるものなのだろうか?

心の底から愛しているが故に、会ってしまうと、言葉を交わしてしまうと激情に駆られてしまい全てを投げ出して走り出してしまうだろう男と女。

極道の世界からきれいになるために、愛し合っているのに、身を切られるように自ら別れる事を選んだ二人。

引き裂かれるように別れた二人は、それぞれ別々の道を歩み、それぞれに安定した暮らしを得ながらも、未だ互いに強く魅かれ会っている

男が、女を命がけで守る。
彼女を守るために殺人マシーンと化し、彼女を狙う者を冷酷無比、問答無用で殺めてゆく。

二人がまだ、供に暮らしていた頃、フリージアの花に囲まれていた。

全ての思いをその花に託して渡す男。

託された思いを、花びらから言葉につむぎ直し、受け止める女。

一言も話さず・・・・フリージアの花を仲介して、交される会話。

そして、男と女は互いに相手に思いを馳せ、無言のメッセージを受け入れる。

言葉にしてしまうと、私の語彙の不足と稚拙な表現力でなんとも、ありきたりな表現になってしまうのが、何とも、もどかしくは・・・ある。

是非、読んでみて欲しい。私は東直巳の最高傑作の一つと思っている。

 

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このページは、よしかわゆういちが2012年1月 7日 15:56に書いたブログ記事です。

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