経営する病院、持っている財産、社会的地位等全て失って得た物がこれとは・・・松本清張「わるいやつら」を読む

■2011年5月2日(月)

松本清張、「わるいやつら」を読んだ・・・

わるいやつら.jpg

うひゃひゃ!である。

タイトルに偽りなし!登場人物全てが「わるいやつら」である。それ以上でも以下でもない。

病院経営に全くヤル気の無い経営者が赤字を垂れ流し、それを愛人から巻き上げる金で赤字を埋めるという毎日。彼にとって「女」はカネを引っ張る対象そのもの。そんな、「わるいやつ」が、心底惚れ込み本気で結婚したいと思う絶世の美女!

全財産を失い、経営する病院を失い、殺人まで犯し、刑務所に入れられまでして彼が得た物は、「その美女の胸にわずかに触れただけ・・・」だけなのだ。

何とも哀れを通り越して惨めな物語と言える内容。

しかし、この「わるいやつ」に最後の最後にとどめを刺すような惨めに輪をかける出来事が、「更にわるいやつ」によってもたらされる。

徹底した「わるいやつら」の描き込みが素晴らしく、心底楽しめる。

原作初版は1966年と四半世紀も前の物語なのだが、人の色と欲に関するどろどろとした心の闇は今も昔も全く変わりなく色あせない物だ。

わるいやつに、引っかからないように・・・ご用心ご用心!

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このページは、よしかわゆういちが2011年5月 2日 19:54に書いたブログ記事です。

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